中古非常用発電機の問題点
2019年07月29日

発電機を設置する上でコスト面から、中古の非常用発電機を検討されている場合、気を付けなければならない問題点があることを理解し覚悟しておかなくはなりません。

確かに新品の非常用発電機を設置するよりも中古の方が初期費用が安いのは間違いありません。

しかし、中古の非常用発電機を回収し、しっかりと点検し修繕し販売している業者はごく一部でしょう。
中古品が悪いと言う訳ではありませんが、結果的には使い物にならず、メンテナンスや点検に莫大な費用が掛かることも覚悟しておく必要があります。


まず、中古と言うだけで、製造年月日により、既に部品が手に入らない場合も考えられます。
特に、海外メーカーの非常用発電機の場合、部品の入手が難しいケースも珍しくありません。

このような場合、汎用性の部品があれば、代用することもできますが、汎用性の部品がなければ、最悪、本体自体を再購入することを検討しなくてはいけません。


故障の少ないと言われている、国産のディーゼル発電機でさえ、定期点検や修繕を行っていないと直ぐにエンジンを始動することができず、「煙道火災による爆発」を引き起こすこともあります。

最悪の場合、災害時や停電時に非常用発電機が始動せずに、人がエレベーターなどに閉じ込められてしまった場合に被害がでれば、ビル管理者や施設管理者の責任が問われます。


中古のディーゼル非常用発電機の場合、燃料を入れっぱなししていれば、燃料タンクも劣化を起こし、冷却水ヒーターやサーモスタットも破損しているケースも数多くあります。
このような不具合は、外から見るだけでは、当然、異常があるのかどうか見極めることはできず、使用する際に初めてトラブルに気づくケースが殆どです。

中古非常用発電機が販売される背景として、前のオーナーが定期的な点検やメンテナンスをきちんと行わず、修繕及び修理費用にコストが掛かりすぎ手放すと言った場合も考えられます。


中古非常用発電機を完全にメンテナンスする場合、オーバーホールという手段もありますが、オーバーホールを行う場合、エンジンの部品を取り出し、洗浄し不具合のある部品を交換するため、定期点検や負荷試験よりも高額になります。

勿論、オーバーホールをすれば、殆ど新品同様の状態になりますが、中古の発電設備を購入しオーバーホールすることは新品の発電機を設置するよりもトータルコストは高くなります。

こういったケースを踏まえ、中古発電設備のデメリットを理解した上で、新品の発電設備を設置するのか、中古品の発電設備を設置するのかしっかりと検討する必要があります。
 

中古ディーゼル発電設備のメンテナンス


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